「テレビ塔は壊すべきである」論
2010/07/22
「テレビ塔は壊すべきである」論
これから夏休みとなり、東京に遊びに行かれる方の今年の人気スポットとして、東京スカイツリーがあるようです。いうまでもなく、東京タワーにとって代わる地デジ放送の電波塔として、2012年に開業に向けて建築中で、高さは”武蔵野の国”からとって634mとなるようです。
それが建築されると心配なのは現在の東京のシンボルである東京タワーです。東京タワーも放送機器を設置して賃料収入でなりたっている、いわば”不動産”なので強力なライバルが出現し、賃貸収入が減ることはまちがいありません。また昭和33年営業開始という老朽化問題も相まって、取り壊し説もささやかれています。
ただし東京タワーはテレビ放送以外のFMラジオや非常時通報用のアンテナや大気汚染調査や強震計が設置されているなどの様々な役割があり、それ以上に今なお東京のシンボルとしていわば文化的価値が高く、タワーが眺められるレストランやマンションは人気があり、その保存を望む声も多いと思います。
翻って、ここ名古屋でも同じような状況として名古屋のテレビ塔問題があります。名古屋のテレビ塔も地上波の電波塔として活躍してきたわけですが、地デジ化により電波塔の機能は瀬戸デジタルタワーに移るので、大幅な収入源が予想されます。それの対策として観光資源として活かすために今あるスペースを改装し、レストランを増設して賃料収入の増加を見込んでいるようです。
確かに近年、テレビ塔の下にはオープンスペースで週末などはジャズなどの生演奏が聴けるおしゃれなスポットに変貌しました。
。。。。ですが、なかなか経営も厳しいのでしょうか、ちょっと前はおしゃれな洋食屋さんだったのが、なぜかうどんやさんになり「あれあれ~」感が否めません。
テレビ塔もその維持のためにいろいろ工夫するのですが、場合によっては公費を投入こともありえるかもしれません。確かに名古屋のシンボル的な存在ではあるのでなくなってしまうことはさびしいかもしれませんが、無理な改装などをするより、十分に一時代の仕事を終えたテレビ塔は移築などして休ませてあげて、時代の流れに対応した街づくりを考えていくほうがいいような気がします。
そうなると思いだすのは、韓国でみたチョンゲチョン(清渓川)です。もともと川の上にあった高速道路をはがして、川を昔の状態に戻したプロジェクトです。ちょっとチョンゲチョンのプロジェクトとテレビ塔の問題を一緒にしてしまうのは強引なようですが、いかに勇気をもって現状のものを壊すかという観点では同じかと思います。
テレビ塔のある公園も一応、小さな川というか池があるのですがとても親水公園といえるものではないので、いっそテレビ塔を解体し、水場を拡張して周囲に芝生をひいて子供が裸足で遊べる公園をつくって、新しい名古屋のシンボルとなるようなスペースを作るなんてほうが、これからを考えた場合いいのでは。。。
と、考える市民だっている少なからずいると思いますので、十分な議論をしてもらいたいものです。
【関連資料】
→ 2010.7.14 日本経済新聞 (PDF:275KB)
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