反比例するモノの値段と地価
2012/01/19
反比例するモノの値段と地価
遅ればせながら名古屋にも世界的に有名なファストファッションのH&Mが今年の4月に松坂屋に開店するそうです。この松坂屋の近くにはすでにユニクロを始め多数の若者向けのブランドショップがひしめきあっていて、各店舗さんにとってはさらに競争が激しくなり大変そうですが消費者にとってはうれしいニュースだと思います。
そういえば先週の日経新聞でもこのH&M以外に今年はファストファッション店や100円ショップ、ドラックストアが都心へ集中出店する旨の記事が出ていました。
その結果、都心の超一等地についてはこれらデフレ経済下で成長してきた小売業の出店意欲の支えもあって賃料がほとんど下がらないそうです。不動産の価値においては賃料が下がらないということはその土地の収益性も下がらないことになるので地価も下がらずその価値を維持する事になります。
かつては一等地は高級品が販売され、「高い物が売られているから土地も高い」はずだったのに「安いものが売られているから土地が高い」というなんだか不思議な状況になりつつあるようです。
そしてかつて「安かろう悪かろう」なんて言葉もありましたが、これらのファストファッションの特徴は低価格で高品質なところです。私も6年目にアメリカに長期滞在したとき、着替えが必要になり単に安かったという理由で偶然買ったのがH&Mのジーンズやアメリカンイーグルのシャツでしたが、いまだに着ることができます。
このように昔の価値感や常識がどんどん変わると、人の行動形態も変わりそうであります。
モノの値段が安くなるという点で、今年は格安航空会社(LCC)元年で様々な航空会社の就航が予定されています。韓国や香港あたりでは数万円で行けそうでありますので何十万円のブランド品や高級品を買うなら、ちょと週末に電車に乗る感覚で海外に行った方がいいと考える方が増えそうです。
ファストファッションを買いに都心に行き、ブランド品を買いに海外に行くようになると、今ある郊外店はどう対応し、どんな店舗や業種が生き残って、街の形はどんなふうになってゆくのでしょうか?
我々みたいな商売でもトレンドをキャッチしていかなければならないことを感じさせる記事であります。
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→ 参考記事 (PDF:744KB)
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