栄と伏見と名古屋の再開発の行方
2012/11/19
栄と伏見と名古屋の再開発の行方
先週の新聞に時期を同じくして名古屋有数の繁華街の栄,伏見、名古屋駅の再開発の状況が載っていました。
まず栄については、老舗デパートである、丸栄を中心とした周辺再開発が地権者の合意が得られず難航しているようです。
丸栄といえば、かつて名鉄、松坂屋、三越とともに「4M」として名古屋の代表的なデパートでありましたが、高島屋が進出してこの4Mという言葉もすっかり死語となってしまい、正直かなりのお客さんが高島屋さんに流れていると思われます。それを引き戻すには魅力ある売り場づくりをしなければならないはずですし地権者にとっても街の活性化が所有する土地の価値を上げることになると思います。なので早く合意ができて、丸栄の親会社で風邪薬などで有名な興和さんの「キャベジン」を飲んだときのように、スッキリすればいいのになと思います。
また伏見についてもこれまた名古屋の代表的な劇場である御園座の再開発に暗雲が立ち込めているとの報道がありました。
御園座は中日劇場とならび”芸どころ名古屋”を支える歴史ある劇場ですが老朽化がすすみ、耐震性も懸念されていました。そこで積水ハウスによる高層マンション併設の劇場に生まれ変わる再開発計画をたてたのですがその実現性について資金調達の関係からメドがたっていないようです。
このように苦戦する栄と伏見に反し、名古屋駅周辺は「名駅マンハッタン着々」なんて報道されるほど再開発が活発です。
2015年までに200メートルクラスのビルが3棟、約60万平方メートルのオフィスや商業施設が登場する予定です。その3分の1の約20万平方メートルがオフィスのようで、その供給量は2012年の約6倍だそうです。そんなに建てて大丈夫かな?という懸念もありますが、リニアの開通期待も有り、名駅地区はそれを受け入れるだけの需要があると見込まれているようです。
このように名古屋の商業地でも再開発が進まず、街の魅力をどんどん失っていく場所と一人勝ちしていく街とその差は大きくなるばかりです。ただビルができれば街づくりが完成という時代は完全に終わったわけで、それ以外にも街のにぎわいを作る方法はあるはずです。個人的には名駅もいいですが、官庁街が近く、ヒルトンがあるため外人さんも多くおいしいお店がたくさんある伏見も、久屋公園があるので都心でありながら緑も楽しめる栄もすばらしい街なのでそれぞれ街の個性を活かしてがんばってほしいものです。
【関連資料】
→ 日経新聞より (PDF:745KB)
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