イケアとコストコの立地戦略のちがい
2013/02/01
イケアとコストコの立地戦略のちがい
長久手市は土地区画整理事業を進める東部丘陵線(リニモ)公園西駅周辺で、四万八千平方メートルの商業用地の事業予定者に家具量販大手「イケア・ジャパン」を選んだと発表し、その企画提案書をHPで公開しました。
イケアの物流倉庫は愛知県内もあるのですが、店舗は初進出となります。
まだ詳細は決まっていないようですが、実現すれば行ってみたいと思う方も多いと思いますし行政サイドとしても周辺地域の活性化や、なによりもいま一つ利用客が伸び悩むリニモの利用促進につながることを期待しているようです。
正直、名古屋の人は車で来店する方が多いと思うので企画書にある神戸の事例のように乗降客数の向上をもたらすかどうか定かではありません。しかしおそらくイケア側もそんなことは十分に調査済みでインターチャンジに近い立地であるとか、長久手市が最近市制化され若年層人口比率が高く、今後も増加が見込まれるという立地環境に魅力を感じて出店の提案をしたのかもしれません。
また愛知県内でメジャーな店舗の出店では、中部国際空港の近くにコストコが企業庁から土地を借地して平成25年8月に営業開始することが発表されました。
コストコも中部初進出ではありますが、ホールセールとしては有名で特になぜか知人の名古屋在住の外国人は妙に喜んでいます。
このコストコが出店するのは中部臨空都市なので、イケヤとは全く違い、海上の埋立地でありますし、すぐお隣りは競合するであろうイオンが出店予定地となっている立地であります。
正直、常滑市自体は窯業を中心に歴史があるまちですが長久手のような”若さ”はありません。しかしこの中部臨空都市なら商圏は広いはずであろうし、空港にも近いので場合によってはアジアなど海外のお客さんも視野に入れているのかもしれません。
このようにイケヤとコストコは立地する場所が全然違うので、そこから推定できるターゲットとなる商圏や客層も違うことが予想され、それが周辺環境にどのように影響を及ぼすかは不動産鑑定士としては注目したいとこです。
まあ、そんなカタイ話はともかく、私はどっちとも行ったことがないので開店した折には行ってみたいと思います。
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